ぜん息やアレルギー性皮膚炎などに効果のある、清潔な空間に一役買います

 近年、問題になっているアレルギー性皮膚炎などの原因の一つにダニがあげられています。ある集合住宅の床をカーペットからナラ材など木のフローリングに改装した時の調査で、ダニの数が減少したという結果がでました。木材の使用により調湿され乾燥したことや、木材に含まれる成分が有効に働いたこと、同時に、生息に適したすき間がなくなったことが理由だと思われます。つまり、ダニが生きて行くには厳しい条件になったからだと思われます。
 ダニはアレルギーを引き起こすともいわれるだけに、清潔で健康な暮らしづくりに木の果たす役割も大きいといえます。

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フローリング改装前と改装後のダニ数の変化
(資料:高岡・高野・宮崎,1985)

 

 

木材の殺菌パワー! MRSAも寄せつけない木の成分

 wood_201503_3-2 昨今、O-157による食中毒や抗生物質の効かない細菌(MRSA)による院内感染のニュースなどがテレビや新聞をにぎわす時があります。ヒバなどの木の成分には、こうした細菌に対して強い殺菌パワーがあることがわかっています。細菌などを寄せ付けないことから、木の内装にする病院も出てきています。

MRSAに対するヒノキチオールの抗菌活性
資料:飯沼 他 木材学会誌 vol.40.No.11.1994

リラックスできる空間はやっぱり木がいい?

 木に含まれる成分には私たちを落ち着かせる効果があるようです。森を散歩すると気分がいいのは、木から出るフィトンチッドという成分のためだといわれています。
 そのフィトンチッドを使った実験の結果、血圧が下がったり、脈拍のみだれが少なくなるなど、私たちをリラックスさせる効果があることが判りました。ストレスの多い現代人には、リラックスできる木のある空間が良さそうですね。

血圧、脈拍、ストレスホルモンへの木の香りの効果 資料:宮崎良文,1996

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 参考:社団法人全国木材組合連合会ホームページ