「木を伐って使うことは環境破壊だ!」という誤解があります。「木材を使うと森林が減ってしまう」と心配する人もいることでしょう。
 しかし、話はそんな単純ではなく、むしろ木材を適切に積極的に使うほうが環境を守ることにつながることもあります。それは、木材には他の資源にはない優れた特性があるからです。

 森林は再生できる資源

wood_201503_6-1wood_201503_6-2 木材が石油や金属など他の資源と比べて特にすぐれているのは、森林は、収穫した後にまた苗木を植えて、育てて再び森林をつくることができるという点です。計画的に利用すれば、森林資源は無くなりません。つまり森林は「上手に活かして使う資源」なのです。
 現在、日本の森林面積は2500万ha、蓄積は44億m3です。日本の木材利用量は輸入材を含めて7000万~8000万m3ですが、蓄積は人工林を中心に毎年約8000万m3づつ増えています。東京ドーム約65杯分が毎年増加していることになります。だから「伐ったら植えて育てる」ことを続けているかぎり、森林が減ることはありません。

 

理想的な循環系をつくる森林と木材利用

 森林から得た木材は、炭素を貯えたまま加工され、住宅や家具などになります。これらはある期間使った後解体されますが、使っている期間は森林が成長しています。それに使った後も木質リサイクル資源や木質バイオマスエネルギーとして利用できます。
 このような点は、他の資源にはない木材のすぐれた特性です。二酸化炭素の排出量を減らすためには森林を造成しながら木材を使うことが大切だということです。

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 次回は、「木材の炭素ストック」について、もう少し詳しく紹介していきたいと思います。

 

 

参考:社団法人全国木材組合連合会ホームページ

参考:私の森.jp 「おもしろ森学」