健康で長生きしたい、多くの人が思うことでしょう。木のある環境には、そんな思いに応えてくれる何かがあります。木材と私たちの健康との関係については、わからないことがまだまだ多いですが、家具や内装など興味のあるところから生活に取り入れてみると意外な効果を得られるかもしれません。
木のある暮らしが健康を守る!
抵抗力や体力の弱っているお年寄りは、ちょっと転んだり、風邪をこじらせたりしても大事になりかねません。
ある老人ホームで、ケガや心身の不調について調べてみると、施設に木材が多く使われている場合の方が、インフルエンザや骨折、不眠などの発生率が低いという結果が出ました。また、病原菌などをよせつけない素材ということで内装を木質化する病院もあるそうです。
高齢化社会を向かえ、人の身体にやさしい木材を使った住環境づくりが求められるのではないでしょうか。
特別養護老人ホームにおける入居者を対象とした施設の木材使用度別の心身不調出現率比較
有意差(P<0.01)の認められたもの
資料:全国社会福祉協議会
「高齢者・障害者の心身機能の向上と木材利用-福井施設内装材等効果検討委員会報告書」。
調査期間は平成9年12月から平成10年1月。
木の空間は長生きの秘訣?
マウスを使った実験では、木製の飼育箱で生活するマウスの生存率が、金属やコンクリートの飼育箱より生存率が高い結果がでています。体重の変化を見ても同様です。
素材の異なるゲージでのマウスの生存率と成長 (資料:伊藤 他 静岡大学農学部 報告,1987)
また、西日本の女性を対象とした調査で、木造住宅の比率の高い地域ほど乳癌による死亡率が低い傾向が見られます。 木造率(住宅に占める木造の割合)と平均寿命の関係を調べたところ、 木造率が高いほど平均寿命も延びる傾向があることが数字で示されました。 又、乳がんの死亡率も木造住宅の方が低いことが他の調査でも報告されています。
木造住宅では乳癌による死亡率が低い
(資料:中尾哲也,1992)
※木材率とは府県ごとの住宅総数に占める木造住宅の割合
これらより、人も木に囲まれて生活すれば長生きできると考えていいのかもしれませんね。
参考:社団法人全国木材組合連合会ホームページ